あらすじ

是は、月光かりの如く
闇を背負った
光源氏の物語である。

いずれのおん時にか … いつの頃のことでしょうか、時の帝(西岡德馬)には二人の皇子がおりました。
一人は帝の高貴な生まれのお后、弘徽殿女御(荒川静香)との間に生まれた兄の朱雀君。
一人は身分が低い生まれでありながら、 最も帝から愛されていた桐壺更衣(平原綾香)との間に生まれた弟の光君。幼い二人は仲良く遊んでおりました。

しかし、弘徽殿は桐壺への嫉妬の炎を燃やし、付き従う貴族の長道(波岡一喜)の提案で、陰陽師(織田信成)を使い、桐壺を呪い殺してしまいます。
母を亡くした光君は帝から光源氏という姓名を与えられ臣下となりました。

時は流れ、朱雀君(ステファン・ランビエル)は皇太子として、太陽のように輝き、光源氏(髙橋大輔)は月のように光る凛々しい若者となりました。
源氏のかたわらには親友の頭中将(福士誠治)。帝は新しいお后、藤壺宮(平原綾香)を迎えます。母に似た藤壺に惹かれてゆく源氏。
朱雀君にはお妃候補の朧月夜(鈴木明子)が寄り添いますが、二人に愛は芽生えません。

一方、弘徽殿と長道は、朱雀君のライバルに成長した光源氏を亡き者にしようと企みます。
禁断の恋に落ちた源氏は藤壺と一夜の過ちを犯し、藤壺は子を身ごもります。しかし、犯した罪の重さに気付いた藤壺は源氏を拒むのでした。
むなしくなった源氏の前に野に咲く紫の花のような少女が現れ、源氏はその子を引き取って育てます。
少女は成長し、紫の上(ユリア・リプニツカヤ)と名付けられ美しい女性となりました。そして、朱雀君は紫の上と偶然出会い一目で見初めてしまいます。

そんな時、帝が亡くなり朱雀君は新たな帝、朱雀帝となりました。朱雀帝は紫の上を無理やり手に入れようとするのですが … 。

さて、源氏物語の世界の人々は氷艶で新たな道を歩み始めます。
… 傷つき流された光源氏は、海賊の長の松浦(柚希礼音)咲風(村上佳菜子)と出会い、圧政によって苦しむ民を救い、失われた光を取り戻すために都へと向かい、立ち上がるのでした。