あらすじ
舞台は古代日本、
大和の西に位置する吉備の里。
白霧族が平和な国を治めている。
しかし彼等は特殊な製鉄術を持っていた。
現王・温羅(高橋大輔)は
原住民の長・八雲の妹、阿曽媛と
結婚を控えていたが、
朝廷が闇呑神の力を借りて育成した
殺戮兵器、吉備津彦(増田貴久)が現れ、
彼の命と土地を狙う。
幼馴染の側近・千秋から
伝家の剣を手渡された温羅は、
その力を借りて朝廷軍を一度退けるも、
戦いへの躊躇と初めて人を傷つけたことへの
猛烈な罪悪感に襲われる。
そんなある夜、祖先の霊・鉄の女神が現れ、
白霧族がかつて戦いの民であった
真実を告げる。
温羅は葛藤しながらも
再戦を免れぬ定めを受け入れ、
鉄の武器を造り戦いに備える決断をする。
一方、戦いで初めての傷を負い、
自らの存在意義に
疑問を持ち始めた吉備津彦は、
温羅の「お前はなぜ戦うのか」という
問いかけが心に深く刺さり、
彼自身も変化を遂げていく。
戦いの運命から逃れたいと願う吉備津彦と、
運命に取り憑かれ
戦いを待ち望むようになる温羅。
殺し合うという絆で結ばれた
二人の数奇な関係。
壮絶な戦いの火花の中で、
熱い思いが交差する。
岡山に眠る「桃太郎伝説」と「温羅伝説」。
正義と悪、表裏一体の
これらの伝説が溶け合い、
美しく残酷な「氷上の悲劇」として
現代に蘇る。
この壮大な叙事詩の結末を、刮目せよ。
氷艶!
高橋大輔氏である!
そして増田貴久氏!
横浜アリーナ!
それは、フィギュアスケートと演劇が、音楽と最新舞台テクノロジーを触媒として化学変化し、感情が大爆発するステージと心得る。
相当な高いハードルである。演出家人生、1番の難題か。
しかしある旅のなか、突然無謀なアイデアが降ってきた。ステージのイメージが突然立体で視えた。
更に、荒唐無稽なストーリーに賛同していただけるスケーター、俳優、ミュージシャン、相当なスキルのステージスタッフを「ツモる」ことができている。
今回は誰でも知っている御伽噺がベースだが、それは何を象徴し、何をメッセージするのか?
歴史の逆転か、逆転の歴史か?
一筋縄ではいかない巨大な氷上の絵巻物
「氷艶 hyoen 2025 -鏡紋の夜叉-」
ご期待あれ!!
堤幸彦